
誰しも尊敬する人って、いると思います。
野球少年であればプロ野球選手、見習いエンジニアであれば先輩エンジニア、新米お母さんであればベテランお母さん、など。
スタートアップを経営させてもらっている自分にも、尊敬する経営者がいます。
それは、任天堂の元社長、岩田聡(いわたさとる)さんです。
今まで、いろんな経営者の方の本を読んだり、一緒に仕事させてもらったりすることで、その方の考え方や価値観を知る機会がありましたが、これまで、岩田さんほど影響を受けた方はいません。
社内では時々言っていますが、HACARUSが掲げている行動指針は、岩田さんの、さらには任天堂という会社の価値観から相当影響を受けて、作られたものになります。
その行動指針とは、次のようなものです。
- 仕事がつまらないのは自分のせい、面白い仕事は自分で作る
- 日本だけで閉じこもらない、世界と商売する
- よそはよそ、うちはうち、京都企業らしく
これは、今でも鮮明に覚えていますが、生前、岩田さんがこういう発言をされたことがあります。
「トレンドとは乗るものではない、作るものである」
もう、この一言に任天堂の経営方針の全てが集約されている気がします。
HACARUSは、現時点ではB2Bという業態であるがゆえに、トレンドというものをこちらから作り上げて提案するよりも、すでに顕著化している課題やニーズに対して提案することが圧倒的に多いですが、それでも、あえてトレンドに「乗らない」という選択肢をとることは、できます。
例えば、技術ひとつとっても、なんでもかんでも流行りの技術を取り入れるのではなく、むしろ使い古された技術を好んで取り入れることがあります。
いわゆる、任天堂の横井軍平さんの名言、枯れた技術の水平思考というやつですね。
あえて難しいテーマにチャレンジする、他の会社がやらないような業種を選ぶ、誰も目をつけていない場所(土地)で活動してみる。
これらも、トレンドに逆行することに近いです。
とはいえ、限られた資金や人的リソースのなかで最短距離でゴールを目指さないといけないスタートアップにおいては、常にトレンドに逆らうことは危険です。
何事においてもバランスが大事なわけですが、基本は「トレンドに乗らない」という逆張りの考え方が、HACARUSには浸透していると自負しています。
進化のスピードが速いテクノロジー分野においては、新しいトレンドを理解するだけでも大変ですが、我々はそういったトレンドを知って使う(乗る)だけではなく、できるだけトレンドを作る側になれるよう、これからも努力したいと思います。