
ちょっと前の話ですが、先日、46歳の誕生日を迎えました。
誕生日のプレゼントということで、嫁からカヤックをもらいました。
いや、ずっと前から自分が欲しい、欲しいと言って、メーカーも型番も全部自分が決めたんですが、こういうのは形(カタチ)が大事です。
自分のためではなく、誰かのために、何かをする。
すでに知っているものでも、誰かから「おめでとう」と言われてもらうと、やっぱり嬉しいもんです。
生まれてから18歳で渡米するまで、ずっと滋賀県に住んでいたので、琵琶湖は自分にとって空気のような存在です。
良く言えば母なる存在、別の言い方をすれば、あることすら忘れてしまう、そんな奴。
湖があまりに近すぎて、カヤックなどのアクティビティには当時は1ミリも興味が湧きませんでした。
むしろ、海の向こうはどうなってんるんだ、と。アメリカっちゅーのは、どういう国や、と。
そんなことばかりに、関心が向いている時期でした。
この歳になって、改めて琵琶湖に入り、自分の手でパドルを漕いで、カヤックを操作して気づいたことがあります。
それは、
カヤックと会社経営は似ている
ということです。
どういうことか。
普段、自動車やバス、電車で移動していると、そこには必ず道や線路があります。
誰かが作って整備した場所を、なぞっている状態です。
もちろん、道なき道を行くオフロードというのもありますが、それでも、行けるところには限界があります。
一方で、カヤック。
見渡す限り、何も、ない。
前へ行くのも、後へ行くのも、方向転換するのも、立ち止まるのも、全部自分が決める。
道らしきものが、何もないことに気づきます。
ラフティングのように川の流れに沿って進むカヤックもありますが、シーカヤックに代表されるタイプのカヤックは、いわゆるゲームでいうところのオープンワールド状態です。
何もないがゆえに、目的地となる場所を自分で決めて、とりあえずそこに向かってパドルを漕ぐわけです。
その目的地に着いたら、次の目的地になる場所を決めて、またパドルを漕ぐ。
マラソンランナーも、そういう走り方をするとよく聞きますが、360度どこに向かって進んでも良いという自由度においては、カヤックの方が経営者のそれに近い感じがします。
自分はプレジャーボートのような、エンジンが付いた船舶は持ってないですが、こういうものを使って海に出る人の気持ちも少し分かった気がしました。
必要最低限のキャンプ道具をカヤックに積んで、上陸先の島であわよくば一泊、みたいなことも、これからやってみたいと思ってますが、これも、めちゃめちゃ美化して言えば、スタートアップの環境に似てます。
限られたリソースでもって、自分たちが信じた目的地にみんなと一緒に向かって、ゴールしたと思ったら、またすぐに次なる目的地を目指すという行為。道しるべらしきものは、何もない。
似てますね。すごく、似てます。
そのうち、経営陣全員をそれぞれカヤックに乗せて、海の上で経営会議なんかやったら面白いかもです。
絶対に話まとまらないと思いますが、自分たちがオープンワールドにいることだけは、実感できると思います。