ハカルスと慶應義塾大学医学部・佐谷教授が共同研究開始、人工知能で抗がん剤創薬の効率向上へ

ハカルスと慶應義塾大学医学部・佐谷教授が共同研究開始、人工知能で抗がん剤創薬の効率向上へ

少量データによる人工知能(AI)ソフトウェア開発会社「株式会社HACARUS(ハカルス)」(代表取締役CEO・藤原健真、京都市中京区)と慶應義塾大学医学部の佐谷秀行教授の研究室は、がん組織におけるヒト・マウス間の相同性(※1)を明らかにするため、共同研究を開始しました。佐谷研究室が開発したがんモデルマウスの病理組織画像を、HACARUSが開発したAIを用いて解析することで、ヒト・マウス間における病理の相同性を明らかにします。これまで、マウスに効果があってもヒトでは効果が得られないことが多くありましたが、今回の共同研究で相同性を明らかにし、創薬の効率化に貢献していく考えです。

​※1)異種生物の同種の臓器で、同様の病理組織学的特徴や薬物応答を示すこと。その条件が分かれば、マウスに効いた抗がん剤が、ヒトでも効くか予測が立てられるようになります。​

 ■従来の課題■ ヒトへの効果に〝壁〟

抗がん剤の有効性は、ヒトで評価する前に実験用マウスで評価します。しかし、マウスで有効性が認められても、ヒトで同様の効果が得られる割合は高くありません。ヒトがん組織をマウスへ直接移植する「PDX(Patient-derived Xenograft)技術」などもありますが、転移が起きにくい▽実験コストが高い−といった問題があります。
そこで、佐谷研究室の有馬好美氏、春日章良氏らが開発した(※2)、移植が安定しており転移が確実に起こるモデルマウスと、ヒト検体との相同性を解明する共同研究に着手しました。

※2)Kasuga et al., Cancer Sci. 112(5):1822-1838, 2021

 ■手順■ 病理画像を細分化、AI判断

実証実験では、一般的に利用可能な既存のヒト組織画像(又は病理画像)とマウスの病理画像から細胞を認識し、細胞の形態をはじめ、色調や模様など複合的な特徴を定量化します。
次に、AIでモデルマウスとヒトの病理組織画像の特徴を比較し、相同性の評価を行います。
相同性の条件が定量的に明らかになることで、モデルマウスの評価結果から、ヒトでの評価結果の予測が可能になります。また、AIによる自動解析で手作業では叶わなかった多くの病理組織画像を客観的に評価可能になり、効率的な抗がん剤の開発に貢献できます。

〈慶應義塾大学医学部 先端医科学研究所 遺伝子制御研究部門 佐谷秀行教授のコメント〉
これまで人が手作業で行ってきた病理画像の特徴の抽出について、AIで自動処理できるようになれば、相同性の解明が効率的に行えると見込んでいます。病理医、臨床医、基礎研究者と企業がチームで取り組むプロジェクトになっており、相互に連携しながらモデルマウスの有用性を実証していきます。

〈HACARUS・代表取締役CEO 藤原健真のコメント〉
AIを使った画像解析はHACARUSの得意とする分野の一つです。佐谷教授と共に、マウスとヒトの相同性の解明を目指し、新たな抗がん剤の開発を後押しすることによりがん治療へ貢献していきます。

−佐谷秀行教授のプロフィール−
【所属】
慶應義塾大学医学部 先端医科学研究所 遺伝子制御研究部門

【研究テーマ】
1. 癌幹細胞マーカーCD44の機能解析
2. 乳がんの予後予測および新規治療戦略の確立を目指した基礎研究
3. 神経線維腫症1型(NF1, レックリングハウゼン病)の治療法確立を目指した基礎研究
4. メダカを用いたヒト疾患モデルの構築
5. 誘導型グリオーマ幹細胞モデルを用いた膠芽腫の新規療法確立へ
6. がん幹細胞の分化制御機構の解明とそれに基づく新規治療法の開発

【経歴】
2007年 慶應義塾大学医学部 教授
1994年 熊本大学医学部 教授
1988年 テキサス大学 M.D.アンダーソン癌センター 助教授

【株式会社HACARUSについて】
HACARUSは、スパースモデリング技術をAIに応用し、少ないデータで、本当に役立つデジタルソリューションの提供をいたします。7年以上に渡り数多くの企業の問題解決に貢献してきたHACARUSならではの経験と技術力で、人の知見を資産化し、オペレーションの効率化・省人化を成功させます。データの取得から既存システムとの連携までを一貫して支援し、人間とAIが共存する未来の実現に取り組んでまいります。本件に関するご質問は、pr@hacarus.com までお問い合わせください。

 

ニュースレター購読Newsletter

登録はこちら