Our TechnologyHACARUS独自のAI技術、
スパースモデリングとは?

「少ないデータ」で使える、
高精度AI。
これを実現する3つの特徴。

ビッグデータ不要のスパースモデリング技術

POINT 1ビッグデータ不要の
スパースモデリング技術

ビッグデータ不要のスパースモデリング技術

AIと聞くとディープラーニング、ビッグデータというキーワードを思い浮かべる人は多いでしょう。しかし「検討したものの、ビッグデータを集められない」とAIの利用を断念したという課題も耳にします。
HACARUSのAI・スパースモデリングなら、少量データでも高精度の成果を得られます。
ビッグデータがないからとあきらめる必要はありません。

「その結論に至った理由」を解釈できるAI

POINT 2「その結論に至った理由」を
解釈できるAI

「その結論に至った理由」を解釈できるAI

ビジネスであれ、医療であれ「なぜそうなったか」を説明できることはとても大切です。しかし、ディープラーニングを活用したAIでは「結果が出るが、なぜそうなったか」を説明できません。
HACARUSのスパースモデリングなら、その根拠もフィードバック。「知」が見える化されることで、次の展開への応用も期待できます。

高速かつ低消費電力。さまざまな実行環境に対応。

POINT 3高速かつ低消費電力。
さまざまな実行環境に対応。

高速かつ低消費電力。さまざまな実行環境に対応。

ビッグデータを扱うAIは、膨大なデータ処理のための高性能システムが必要で、電力消費も多く、気軽にできるものではありません。
HACARUSのAIは、少ないデータの取り扱いで済むため低負荷。そのため、お客さまの既存環境で実行できることも少なくありません。クラウドベースとオンプレミスともに提供実績があります。

25年以上にわたる研究実績。
スタンフォード大の教授が提唱

「スパースモデリング」は、約25年の歴史を持つ技術です。始まりは諸説ありますが、スタンフォード大学のRobert Tibshirani教授がLASSOを提唱したことによって、データサイエンスなどの分野で広く認知されるようになりました。
この間、アカデミアでは研究が進みましたが、ビジネスでの実践・応用例はまだまだ少ないと言わざるを得ません。
HACARUSでは、研究機関との共同開発はもちろん、ビジネスパートナーとのアプリケーション開発などにも力を入れ、実績を積み重ねてきています。

Year Publication
1995 Sparse Coding of Natural Images Produces Localized, Oriented, Bandpass Receptive FieldsB.Olshausen and D.Field
1996 Regression Shrinkage and Selection via the LassoR. Tibshirani
2006 Compressed SensingD.L. Donoho
2018 Multi-Layer Convolutional Sparse Modeling: Pursuit and Dictionary LearningJ.Sulam. et al.

ディープラーニングより、
スパースモデリングが
優位を示したケース

ここで、スパースモデリングの優位性を示した事例を一つ紹介します。AIによる太陽電池の不具合検査での性能比較です。ディープラーニングと比較した時の結果が、表に示されています。
学習量、学習時間、精度など、その多くでスパースモデリングが好成績を出しました。このようにディープラーニングの導入が必ずしも十分な成果を出せない時に、スパースモデリングがうまくはまることもあります。
学習量が少なくて済むことから、IoTなどのエッジ端末など、クラウド非接続のスタンドアロン機器での活用も期待できます。

表 太陽電池の不具合検査の性能比較。スパースモデリングが好成績であったケース。
SVM CNN スパースモデリング
学習データ量 800枚 800枚 60枚
学習時間 30分 5時間 19秒
推論時間 8分 20秒 10秒
精度 85% 86% 90%
SVM=Support Vector Machine、
CNN=Convolutional Neural Network (Deep Learning)の略

スパースモデリングの優位性
(ディープラーニングとの特徴比較)

大区分 中区分 ディープラーニング スパースモデリング
学習データ 必要データ 学習のための教師データが大量に必要 学習のための教師データが少量あれば良い
学習時間 大量データに全量解析をさせるため長時間必要 少量データに対して、事前の重み付けをして解析させるため短時間で済む
推論時間 普通(学習と推論でクラウド利用の場合は通信によるタイムラグが発生) 短い(エッジ環境での動作も可能で高速)
動作環境 動作環境 クラウド・GPUが必要 (クラウド・GPUはもちろん)CPUやチップでもOK
ハード投資 高額な初期投資やランニングコストが必要になる場合がある ハードへの投資が極めて少なくて済む
通信コスト クラウド運用の場合には通信コストが必要 エッジ環境での利用では通信コストがかからない
情報セキュリティ クラウド利用の場合にはネットワークに各種情報を上げる必要がある エッジ・デバイス上で学習と推論まで完結させることができるため、ネットワークへ情報を上げる必要がない
説明可能性 結果に対する
説明可能性
乏しい(ブラック・ボックス問題) AIの振る舞いに対する因果関係を説明しやすい
構築 事前準備 出来合いのモデルがある場合には少ない準備で学習を始めることができる 検証対象に対する知見をモデルに反映させる事前の作り込みが必要

応用例

欠損+ノイズのある
データからトレンド推定

下の図は、観測データ(x)から、推測したトレンド(緑線)を示します。
80%程度データが欠損していてもおおむねトレンドが推定できていることがわかります。

完全な観測データ
完全な観測データ
50%欠損した観測データ
50%欠損した観測データ
80%欠損した観測データ
80%欠損した観測データ
青: 真のトレンド・赤: ノイズを含む観測データ・
緑: 観測データから推定されたトレンド。

応用例

欠損の補完や超解像

画像修復

下の図は、オリジナルの画像(a)を、50%欠損させ(b)、その50%欠損させた画像が修復させた例(c)。
オリジナルとまではいかないものの、それが何を示すのか判断できる程度には修復できています。

オリジナル画像(a)
オリジナル画像(a)
50%欠損した画像(b)
50%欠損した画像(b)
50%欠損から修復した画像(c)
50%欠損から修復した画像(c)

画像の超解像度化処理

下の図は、オリジナルの画像(a)を、50%解像度を劣化させ(b)、その50%劣化させた画像を元に、高解像処理をした画像の例(c)。
オリジナル画像までとはいかないものの、特徴を捉えるのに有効な画像になっています。

オリジナル画像(a)
オリジナル画像(a)
50%解像度を下げた画像(b)
50%解像度を下げた画像(b)
Bから再構成した高解像度画像(c)
(b)から再構成した高解像度画像(c)

スパースモデリングは、
あらゆる業種・分野で
利用可能性あり

  • 建設建設
  • 製造製造
  • エネルギーエネルギー
  • 運輸運輸
  • 卸売・小売卸売・小売
  • 金融・保険金融・保険
  • 飲食・宿泊飲食・宿泊
  • 医療医療
  • 福祉福祉
  • サービスサービス
Credit: Event Horizon Telescope Collaboration
https://eventhorizontelescope.org

ブラックホールを捉えた
スパースモデリング

2019年4月、ブラックホールの姿が補足されたニュースが全世界に発信されました。史上初の快挙を覚えていらっしゃる方も多いでしょう。しかし、あの美しい漆黒の円形画像は、実は(といいますか当然ながら)光学的に撮影された像ではありません。
不鮮明ながらも撮影された像と観測データからAIが導き出した像であり、そのAI技術には、HACARUSも採用するスパースモデリングが使われています。

参考文献

ITエンジニアのためのスパースモデリング入門(HACARUSのメンバーが分担執筆)

第1回 機械学習プロジェクトにおける課題と、スパースモデリングに期待が高まる背景 https://codezine.jp/article/detail/10957
第2回 スパースモデリングはなぜ生まれたか? 代表的なアルゴリズム「LASSO」の登場 https://codezine.jp/article/detail/11148
第3回 スパースモデリングのモデルを評価する~LASSO推定値の評価方法 https://codezine.jp/article/detail/11593
第4回 スパースモデリングの画像処理への応用~画像の再構成とノイズ除去 https://codezine.jp/article/detail/11823
第5回 スパースモデリングの画像処理への発展的な応用~欠損補間、異常検知、超解像 https://codezine.jp/article/detail/12433
第6回 最先端のスパースモデリング~HMLassoとPliable Lasso~ https://codezine.jp/article/detail/12662
大関真之:「今日からできるスパースモデリング」
http://www-adsys.sys.i.kyoto-u.ac.jp/mohzeki/Presentation/lecturenote20150909.pdf

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